弟子活
あ〜気持ちよかった。
普段から私たちは薪割りをしている事は以前も書いているが、先ほどその薪で沸かしたポカポカのお風呂に入ってきた。最近久美ちゃんと私が気に入っている入浴剤で緑に染まった熱々のお湯に体を沈めると、ジワァ〜〜〜と疲れが解れていく。
志の輔師匠の独演会は名残惜しくも無事終演し、阿智へ戻るなり7月の「和来座」公演に向けての稽古が本格的に始まった。
「ドドンと太鼓で邪気祓い」と言うサブタイトルの通り、今回は太鼓の出番が多い。
コロナで太鼓を沢山演奏する機会もほとんどなく、完全に体が鈍っている。新しい動きや久しぶりの動きに体がまだついて行けてなく、肩の筋肉がガチガチだ。余計な力を入れすぎているようだ。今も壁と背中の間にテニスボールを挟み、筋膜剥がしをしながらブログと向き合っている。
今日は休日。とは言っても次のお稽古に間に合わせなくてはならない課題が沢山あるので一通りさわってみた。
午前と午後の太鼓のお稽古の間には、部屋の片付けをしながら最近ハマっている浪曲の動画を流す。その中には若い女性の浪曲師のインタビューもあり、弟子入りをした時の話をしていた。やはり落語や講談の世界と同じで、入門したい師匠を公演で待ち伏せし、弟子入りをお願いするらしい。師匠が右を向いて座れと言えば、一日中でもそうするしかない。理不尽な事もあるが、それを耐える覚悟で入門するんだと、そう言っていた。
すごいなぁ〜とぼんやり思いながら、先日の独演会でみた志の輔師匠のお弟子さん達を思い出す。
師匠より先に会場に入り衣装や楽屋の準備をしたり、師匠が話を終えた即後に汗を拭うタオルを持ってお迎えしたり。公演前は楽屋の前で常にスタンバイ。
「すごい!こういうのが「弟子」なんですね!」と今さら納得し、その発見をお師匠さんに報告。「そうですよ」と笑う小野さん、木村さん。
それに比べるとここ地力塾での弟子活は伝統的な話芸の世界とはてんで違う。
お師匠さんの教室へお供する時だって、運転するどころか行きがけにコーヒーとおやつを買って頂き、ポテチを食べるだけ食べた後、到着するまで熟睡。そんな私たちの「弟子」っぷり。
言葉で褒める事は滅多にないが、今年は梅雨が長そうだからと衣類乾燥除湿機を購入してくださる優しいお師匠さんに甘やかされていると言ったら、その通りだろう。
そんなお師匠さんや頑張り屋の久美ちゃん、そして周りの人の為になれるよう、舞台の上でも、日常の中でも、もっと自分で考えて動ける人になりたいという夢も再確認する1日でした。